M870ハーフライフルでスラッグ弾を撃つと弾痕が増える件について

射撃

はじめに

射場で静的射撃をしていた際に、1発しか撃ってないのに弾痕が2発になることがあったためその原因について考察してみたいと思う。

スペック

猟銃:M870

銃身:ハーフライフリング銃身(20インチ照星照門)

装弾:REDBIRD FIELD LOAD(12GA)

距離:50m

スコープ:8倍

姿勢:立射

状況

発射数より弾痕が増えた状況写真。ちなみに隣の射台から撃ち込まれた可能性はない。

×印が怪しい弾痕

考察

標的を観察してみると一部の弾痕は他の多くより弾痕が一回り小さく、標的紙の貫通があまい。おそらくワッズが分離して弾痕になっている。スーパースローのカメラで撮影すれば一目瞭然であるが所持していないため、確定ではないが可能性としては一番高い。7.5号などの散弾であればワッズが早い段階で弾頭と別れるのは経験上知っているが、そもそもスラッグの場合はどうなのか調べてみる。次の動画はスラッグ弾(フォスター型)のスロー映像

弾頭とワッズのスロー映像(2:18〜)

動画ではワッズが弾頭より少し遅れてほぼ同じ位置に当たっているのが確認できた。この映像では距離15m程度で射撃しているため、これが50mの距離であれば弾頭とワッズの着弾位置はこの動画よりさらに離れるだろう。

次に今回使用したREDBIRD FIELD LOAD(12GA)について調べてみる

引用元:公式ウェブサイト

実包を透かして見て、最も近い弾頭形状及びワッズは次のモノだった。

引用元:http://www.gualandi.it/en/products_slugs/borra_proiettile.html

ここからはREDBIRD FIELD LOAD(12GA)が上図のメーカーの弾頭(ワッズ)または類似品を使用しているという仮定のもと考える。

引用元:http://www.gualandi.it/en/products_slugs/borra_proiettile.html
引用元:http://www.gualandi.it/en/products_slugs/borra_proiettile.html

公式ウェブサイトから分かったこと

1.ライフルドチョークで撃つと精度が落ちる

2.チョーク付き銃身及びライフルド銃身で撃つことができる

3.弾頭とワッズは結合したまま発射される

通常であれば弾頭とワッズは一体化したまま飛んでいく。ということは、ハーフライフリング銃身で射撃することでスムースボア銃身では受けないライフリングによる影響が弾頭とワッズを分離させる作用として働いているのではないか。ということが考えられる。といっても毎回というわけではなく10発中数発程度ではある。ただし、今までレストで射撃している際にこのようなことはなく、膝撃ちや立射、動的の際に顕著に現れるように感じる。つまり、銃身がブレている中で射撃するとこのような事象が生じやすい。また、上の1と2を踏まえて考えると、ライフルド銃身で撃つことはできるがライフルドチョークと同じように精度が落ちる可能性が高い。

まとめ

この弾をハーフライフルで撃つことはメーカー公式サイトからも問題ないと言える。が、弾頭とワッズが本来は結合したまま飛んでいくということを踏まえるといまいちスッキリしない。使用する銃身による影響も大きいと思うが、神経質な人には使用をおすすめしない。また、スラッグ大会のような得点を争う場合にも疑義を抱かれる可能性があるためおすすめできない。そもそも、ハーフライフルでサボット以外のスラッグを撃つというアブノーマルな行為につき使用の際は自己責任が前提ではあるが。

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